CORE TECHNOLOGY

テクノロジー

iPS細胞由来心筋シートとは

ヒトiPS細胞から作製した心筋細胞(iPS心筋)を主成分とした他家細胞治療薬であり、シート状に加工されたものを、心臓に移植します。
心臓移植や人工心臓装着以外に有効な治療法がない重症心不全の患者さんを対象とし、心機能の改善や心不全状態からの回復等の治療効果が期待されます。

阪大・澤教授のグループによるiPS細胞を用いた心不全治療開発の沿革

2000年
  • 東京女子医科大学と細胞シートによる心筋再生治療研究開始
2006年
  • 京都大学 山中伸弥教授がiPS細胞の樹立に成功
2007年
  • 筋芽細胞シートを用いた臨床研究を開始
  • 京都大学 山中伸弥教授がヒトiPS細胞の樹立に成功
2008年
  • 京都大学との共同研究開始 京都大学よりヒトiPS細胞を分与
    ヒトiPS細胞から心筋細胞への分化誘導に成功
2012年
  • 大動物(ブタ)での有効性を確認、論文発表
  • 筋芽細胞シートを用いた重症心不全に対する治験開始
2013年
  • AMED 「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」
    『疾患・組織別実用化研究拠点(拠点A)』に採択
2015年
  • 京都大学より臨床用iPS細胞株入手
  • PMDAへ製造方法や非臨床安全性試験について相談開始
    (※テルモ社の筋芽細胞によるハートシートの、国内での製造販売承認)
2016年
  • 臨床用iPS細胞のマスターセルバンクを構築
2017年
  • iPS由来心筋細胞シートを用いた重症心不全に対する臨床研究の申請
2018年
  • 同臨床研究の実施承認
2019年
  • iPS由来心筋細胞シートを用いた医師主導治験の治験届提出
2020年
  • 同医師主導治験 開始(1例目への移植)

(大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科学 澤教授スライド タイトル改変)
AMED:国立研究開発法人 日本医療研究開発機構
PMDA:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

当社の強み

当社は、大阪大学との共同研究を通じて、以下に係る技術的な強みを保有しています。

  • ヒトiPS細胞の安定的な未分化継代培養
  • ヒトiPS細胞の分化誘導、分化細胞作製(特に、心筋細胞)
  • ヒトiPS細胞由来心筋細胞の高純度精製と未分化細胞除去
  • ヒトiPS細胞および分化細胞の分析、特性評価解析法

こうした強みは、iPS細胞由来の心筋細胞を用いた再生医療製品の開発と商業化のために不可欠です。さらに、心筋細胞のみならず他の臓器を対象としたiPS細胞を活用した創薬の研究ツールとしても有益です。